ATSのデータをもとに採用の歩留まり分析レポートを自動生成する

ATSのデータをもとに採用の歩留まり分析レポートを自動生成する

今回は、ATSのデータを元にカスタムで採用の歩留まり分析レポートを自動生成したので、その内容をまとめます。
Clock Icon2024.11.11

こんにちは。人事グループ・組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。

採用活動が常に最適であるとは限りません。また、一時的にうまく機能していたとしても、内外の環境変化により最適な状態を保つことは難しいでしょう。そのため、継続的な改善が必要であり、定量的なアプローチとして採用歩留まりの分析が有効です。

通常、ATSを利用している場合、分析レポート機能が付属していることがあります。一方で、必ずしも自社が分析したい内容を網羅してくれているとは限らなかったり、権限設定の都合で本来歩留まりの分析を見せたい範囲に見せれない場合がありえます。これらの場合、API連携が可能な場合はAPIを使用し、エクスポート機能のみの場合は応募データをエクスポートして活用する形で分析を行います。

今回は、ATSのデータを元にカスタムで採用の歩留まり分析レポートを自動生成したので、その内容をまとめます。

前提について

クラスメソッドでは採用管理のATSとしてHRMOS採用を利用しています。
歩留まりの分析や対象とする項目自体は以下の記事で解説済みなのでこの記事では省略します。

採用の歩留まりの分析と分析活動のポイント | DevelopersIO

自動化した内容

HRMOSからエクスポートしたデータを元に以下の分析を自動化しました。

  • 求人別の歩留まり分析
  • 部署別の歩留まり分析
  • 応募経路別の歩留まり分析
  • 部署別・求人別・応募経路別の歩留まり分析

特に部署別の分析はHRMOSの標準機能に含まれていないため、エクスポートデータを用いて自動化を図りました。なお、HRMOSにはラベル機能があり、すべての求人に部門ラベルを設定することでレポート機能で分析可能です。しかし、分析するたびにメニューを選び直す必要があり手間がかかります。

また、現状、クラスメソッドで採用に関わっていて歩留まりの分析をみてもらいたい人の範囲と、HRMOSのユーザーとして権限を割り当てている範囲が異なるというのもエクスポートして自動化した理由の一つです。

自動化した内容は2024年6月から運用に乗せていて、毎月、歩留まり分析レポートを自動生成し、関係者に共有しています。

自動化の構成

recruitment-analysis

  • 毎月対象範囲の応募データをCSVでエクスポートする
  • エクスポートしたCSVを Google Drive に配置し、 Google Spreadsheet に変換する
  • 応募データを出力するためのテンプレートを用意する
    • 応募データは求人別になっているため部署別や応募経路別の分析は Spreadsheet のピポッドテーブルで実現している
    • 歩留まりの計算は Spreadsheet の関数で実現している
  • GAS の分析レポート出力プログラムで応募データを読み取り、歩留まりの数値を計算し、テンプレートを元に結果を出力する

データ仕様の変更への対応

分析レポート出力プログラムで採用の歩留まり分析レポートを数ヶ月出力したタイミングで、HRMOSのデータの保持形式が変更になり、分析レポート出力プログラムに修正が必要になりました。

  • 旧データの持ち方と新データの持ち方を対比し、データの仕様の変更点を把握する
  • 変更点を踏まえて新データを元にした分析項目のデータ要件を最新化する
  • 最新化した要件を元にプログラム、テンプレート、関数、ピポッドテーブルの設定を修正する
  • 変更後のプログラムの動作をテストする

という流れで変更に対応しました。

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